六つの基本型

 

1.平床寝台

平床は、重力に対して、もっとも安定した平面であるため、これで休むと全身の筋肉が弛緩し、安静に休息をとることができます。また、直立したために脊柱の前後左右に生じた不整歪曲が、平面に就寝することによって体重で矯正されます。

やわらかな布団やマットレスでは、部分的相違によって変形し、脊柱が一直線にならないため直立歩行のズレを矯正することができません。

平床はその硬さによって皮膚と肝臓に刺激を与え、鈍化を防ぎます。皮膚の表層にある静脈を鼓舞し、血液の帰路循環が活発になることで、腎臓の機能もよくなり、昼間の活動によって生じた老廃物の処理効率があがります。

 

2.硬枕利用

人間の頚椎は、上に重たい頭部を載せているため、つねに圧迫を受け、不安定で故障しやすいものです。頚椎は七つの椎骨からできていますが、頭部の一番、基部の七番、中央の四番はとくに副脱臼を起こしやすいのです。そこで夜間就寝中にこの部分に張力をかけるような工夫が必要となります。

頚椎に異状があると、耳鼻咽喉や歯の病気、気管支の炎症などを招くことになります。硬枕はこれを予防するとともに、治療します。また、頚椎全体の矯正が行われるため、肩の凝りがなくなり、小脳や延椎の機能も完全に働くようになり、身体各部、とくに手足の神経の麻痺を防ぐことができます。

 

3.金魚運動

平枕で脊椎の前後の副脱臼を治し、硬枕によって頚部のゆがみを矯正し、そしてこの金魚運動では脊椎の左右の副脱臼を矯正することができます。全身の神経機能を整えるとともに、腸管にも刺激を与えます。つまり、腸管の内容を均等にし、腸の捻転や閉塞を予防し、腸本来の機能を生理的に促進します。

方法:仰向けになって、からだをなるべく一直線に伸ばし、足先を揃えてひざの方へ直角以上に反らし、両方の足の裏が一平面の上にあるようにします。両手を組んで、首の後ろの真ん中辺に当て、両膝で調子をとって魚の泳ぐまねを細かく素早く行います。朝夕1~2分間行ってください。

 


4.毛管運動

西式健康法は、古今東西の医学や科学を基礎として創案されたものですが、そのなかで唯一血液循環理論に関しては、まったく独自の見解を持っています。それは、血液循環の主力が心臓であるという従来の常識を排して、血液循環の原動力が動脈と静脈を結ぶ毛細血管にあるとしている点です。人体にある400億本もの毛細血管のうち、多くが四肢に分布しているといわれます。手足を上げ、振動させることによって四肢の静脈弁が整生され、静脈血の還流を促し、リンパ液の移動ならびにその新陳代謝を活発にします。

方法:仰向けの姿勢になり、手足をなるべく垂直にあげます。手指は軽く離して伸ばし、足の裏はできるだけ水平にし、この状態で朝夕一回ずつ、手足を1-2分間微動させます。


5.合掌合蹠
(がっしょうがっせき)

合掌合蹠は、身体左右、とくに四肢の筋肉、神経を平等に揃え、その調和を図る方法です。合掌を行うと、体液は酸塩基の平衡状態となり、爪廓(そうかく)と手のひらの毛細管蹄形の捻転を整え、その血液循環を完全にします。合蹠は骨盤底、腹部、上腿、下腿、足などの筋肉および神経の機能、血液循環などを調整します。

方法:合掌は、手の五本の指を密着させて、手のひらを合わせ左右各五本の指のうち中指は少なくとも第二関節まで、その他の指は第一関節までを、互いに離れぬように密着させ、できるだけまっすぐに顔面の高さに合掌します。

合掌合蹠は、平床などに仰向けに寝て、両手を胸の上で合掌させます。

合蹠とは足の裏を合わせること。ひざを曲げて開き、足の裏を合わせてそのまま足を前後の方向に、締めたり伸ばしたりします。この往復運動を十数回おこないます。


6.背腹運動

四つの基本原理4.精神の中で述べたように、交感神経と副交感神経の平衡状態を背中と腹部の運動を同時に行うことによって導きだす運動です。また、腹部の運動は腹部の運動を活発にするだけでなく、便秘を防ぎ、腸内に停滞していた宿便を排除することができます。

西式健康法の中で一番重要で基本的な運動ですが、10種類の準備運動と10分間の運動からなり、すぐに上手くできる運動ではありません。ここでは、運動の主体部分のみを紹介しますが、準備運動はとても重要なので、準備運動をせずに背腹運動を行うのではあまり効果が得られません。詳しくは『西式健康法入門』などの書籍を見て勉強していただくか、初級者講習会にお越し下さい。

方法*:正座して、図のようにひざをやや開いて座ります。尾骨を中心に頭の頂点までをなるべく一直線になるよう姿勢を正します。そのままの姿勢を維持して、脊柱を一本の棒のように、尾てい骨を基点としてあたかもメトロノームの針のように、左右に揺振運動を行います。このときに、腹部の運動を併せて行います。

腹部の運動は、からだを左右に傾けるごとに、下腹に軽く力を入れて押し出す運動ですが、腹式呼吸とは異なりますので、呼吸とは関係なく行います。からだが左右揺振の中央にきたときに、おなかを引っ込める(通常の状態に戻す)ようにします。背柱一往復につき、腹部運動は二回行います。

背腹運動の速さは、揺振運動一往復を一回として、一分間に50-55回として、これを10分間行います。つまり、総数500回が目安となるわけです。この速さで最初から行うのは難しいので、少しずつ身体を慣らせるように練習していきましょう。

 

 

3、4、5、6番の運動は難しく、説明を読むだけでは正しい動作がわかりにくいので、よく読んでイメージしてから行ってください。
もしくは講習会に参加し、実際に指導を受けながら運動を体験してみてください。